大山神社の雨乞い普利雨祭
どんな伝承か
大山村平塚の大山中腹にある大山神社は高蔵神社とも呼ばれ、良弁僧正が開いたと伝わる。行基作という不動を祀り、毎年七月七日に行う不動祭が普利雨祭である。縁起によれば、良弁が開基供養の折に雷鳴がやまず、清水を酒に見立てて祈ると霊雨が降って百足の害も絶えたといい、その池を閼伽の池と名づけて以来、祈雨の霊地とされた。祭は里見義弘の治世に始まったといわれ、農兵を組織するため祭事に託したという説もある。里人は笛や太鼓を鳴らして二十七隊に分かれ軍装で登山し、頂上で二手に分かれて槍や薙刀で揉み合う勇壮な儀式だったが、今は竹を振って踊る形式となり降雨踊とも呼ばれる。獅子舞や棒術も伴う。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。