北小町生まれの名僧頑器和尚
どんな伝承か
上総寺尾の峯山大空庵に住して名僧の誉れ高く、享保六年十二月に小松横山の旧庵で七十三歳で寂した頑器和尚は、もと主基村北小町の生まれである。幼くして仏道に志し、那古寺に詣でて譬喩品を聴いて道心を起こし、鎌倉に出て修行して大悟したという。のちに北小町に家を建てたが、その旧居の跡が残る。十二、三歳で江戸へ出て求法に励み、大成して故郷へ帰ったといい、行脚の折も常に厳しく身を持し、大願を遂げたと口碑に語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。