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頼朝が与えた仁右衛門島

所在地千葉県鴨川市太海浜(仁右衛門島)
年代治承四年
登場源頼朝、平野仁右衛門、紀楳亭、寛政十年に来遊し詩を残した画家
出典日本伝説叢書 安房の巻

どんな伝承か

海中に突き出た一つの孤島に、仁右衛門島と呼ばれる島がある。周囲およそ十町四十間の岩がちな島で、古く島主を平野仁右衛門と言ったのでその名があるといい、今もこの島には平野仁右衛門という者が住んでいる。里人の言うところでは、源頼朝が本州へ渡った際、この地の大家の者が駒を繋いで厚くもてなしたので、頼朝がその志を深く嘉して、この島を賜わったと言い伝えられ、それより平野仁右衛門の古跡を俚俗に仁右衛門島と呼ぶようになったという。のち寛政十年九月に紀楳亭がこの地に遊び、風光の絶佳を賞して神の如き島と呼んでから、一に神の島とも言われるようになった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))

『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。

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