皮を剥げば家が滅ぶ清澄寺の老杉
どんな伝承か
清澄寺の門のわきには二本の老杉が立っている。その太さは手を広げて十六回りもあるという。土地の人の話では、慈覚大師がこの地で加持を行ったときに植えた二本の杉が、今に残ったものだと伝えられる。この杉の皮を剥ぎ取り、それを三枚あるいは四枚にすると、その家は必ず滅び、主人は枯れるように死んでしまうといって恐れられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。