西蓮寺薬王丸物語
どんな伝承か
安房郡湊村大字内浦の谷に、西蓮寺という天台宗の古刹がある。昔、西蓮寺の和尚が薬師の堂で通夜をしていたところ、堂の側で子の泣く声がするので振り返って見ると、生まれて間もないらしい赤子が捨てられていた。和尚はこれを抱き上げて養い、薬王丸と名付けた。薬王丸は十二歳まで当寺で修行し、十二歳の時に清澄へ登らせたところ、非常な才を現し、後に日蓮上人と言われるほどの英才となったと里に伝わる。今も西蓮寺の寺宝に、机に向かって少しうつむいた童子の像があり、これは日蓮の自作であると言われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。