夢告から始まった尾張富士の石上げ祭
どんな伝承か
丹羽郡犬山町の五郎丸に八百比丘尼がいた。ある夜、尾張富士の祭神である木花咲耶姫命が夢枕に立ち、隣の本宮山より高くなりたいので、峰へ石を一つでも上げてくれれば願いを叶えようと告げたという。比丘尼がこれを村人に伝え、皆で石を運んで祈願したところ、村は無病息災となった。その日が六月朔日の未明だったので、以来この日を石上げ祭りと定めた。神が駿河の富士を築く途中、指の間からこぼれた土でできた山だともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。