鬼が根こぎに投げた逆杉
どんな伝承か
秋田県に逆杉と呼ばれる杉がある。山鬼が人を屠り食うので、赤神の神様がこれを憂え、一夜のうちに磴道を造らせ、もし出来なければ殺すと約束された。ところがわずか四、五段を残して夜が明けたので、小鬼は怒って杉を根こぎにして投げた。それがこの逆杉であるという。この社の磴道は大石で段が出来ている。逆杉の名は各地にあり、多くは高僧や貴人が挿した杖が根づいて枝がみな下向きに出たと語られるが、この条は鬼が投げた木として由来を語る点が異なる。
原典より
山鬼が人を屠り食ふので赤神の神様が憂ひ給ふて、一夜のうちに磴道を造らせ、若し出来なかつたら殺すと約束せられた。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。