寿命が三十日延びる名水
どんな伝承か
南多摩郡、浅川の近くの荒井というところ、蛇通路にある三光荘の下に湧く水をあげはの水という。もはや助からぬという病人がこれを飲むと、寿命が三十日は延びると言い伝えられてきた。かつて街道を行き来した雲助たちのあいだでも、この水には霊験があるという評判が立っていたという。『旅と伝説』六に載る一条で、延命の効を説く名水の一つに数えられる。
原典より
淺川附近の荒井蛇通路の三光莊の下にある。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。