三頭の鹿に変じて家康を渡した松
どんな伝承か
永禄三年、桶狭間の戦いのとき、家康は大高城にあって義元の敗死を聞き、矢作川まで来たものの渡ることができずにいた。するとそこへ八劔神社の老松が三頭の鹿に姿を変えて現れ、家康を対岸へ渡したという。それ以来この渡し場を三鹿の渡と呼ぶようになった。
原典より
永禄三年桶狭間の陣のとき、家康が大高城に在つて義元の敗死を聞いて矢作川まで来たが渡ることが出来ずにゐると、八劔神社の老松が鹿三頭に變じて家康を渡した。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。