家までついて来て守った山犬
どんな伝承か
徳島県三好郡池田町(現三好市)の話。話者の母方の祖父は嘉永六年の生まれである。その祖父が池南から井川へ帰る途中、川の方の藪から犬が出てきて、四メートルほど後から付いてきた。人家のある所では五十メートルほど離れて付いてくる。家に帰ってしばらくしてもまだそこにいる。これは山犬が魔物から守ってくれたのだと考え、小豆がゆを出しておくと、翌朝には全部食べてあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。