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月岡温泉からタクシーで帰った老猫

所在地新潟県新潟市北区葛塚
年代現代
登場—
出典現代民話考 10 狼・山犬、猫

どんな伝承か

昭和の初めのこと。葛塚の町のある店に、十二、三歳になる老猫が飼われていた。晩秋の市日、店が取引先から大きな生鮭をもらい、出入りの魚屋にさばいてもらっていると、そばで見ていた猫がいちばん大きな切り身をくわえて逃げた。魚屋が思わず出刃包丁を投げると猫の腰に当たり、猫はそれきり姿を消した。一月ほどして店先にタクシーが止まり、運転手が月岡温泉からの運賃を求めた。女客が月岡から乗ってこの家に入ったという。見ると行方知れずだった猫が足もとで見上げており、声をかけると嬉しそうに喉を鳴らした。お婆さんの言葉で運賃を払い、騒ぎは収まった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。

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