布団の火を知らせた飼い猫
どんな伝承か
喜多方市の語り手が小学校五年生であった昭和一五年の話である。こたつで寝ていたところ、布団の端が火の中に入って燃え出したが、本人は気づかなかった。飼っていた猫が夜中にうるさく鳴き、母の部屋と語り手の部屋を行ったり来たりした。そのうち焦げる臭いがして、母が部屋をのぞくと煙がもうもうと立ち、猫は狂ったように騒いでいた。気づいた時には足から膝まで焼けていて、改めてその恐ろしさを知ったという。この猫は毎日、門の所まで学校の送り迎えをしてくれた。末子の語り手は猫を妹と思い、家人によれば猫の方も語り手を妹と思っていたようだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。