優勝写真に写った級友の顔
どんな伝承か
青森県三戸郡五戸町での話。昭和五二年の秋、五戸中学校の文化祭でクラス対抗合唱コンクールが行われた。三年五組の高橋謙一が突然の病で亡くなり、入院中も文化祭までには学校に帰りたいと便りを寄せていたが、ついに果たせなかった。高橋君のためにも頑張ろうを合言葉に、クラスは団結して見事優勝した。優勝を記念し、賞状とカップを囲んでクラスメートが記念写真を撮ってもらったところ、出来上がったカラー写真に、後列の一番仲の良かった級友の肩越しから、斜め前方を見るような高橋君の顔が写っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。