鬼怒川駅手前の線路事故を見た夢
どんな伝承か
昭和五十一年の春、電車に乗ろうと駅へ向かう途中、なぜか線路が気になった人が、その夜、山あいの急カーブの線路で五、六人が工事をしているところへ特急電車が現れ、あっという間に作業員をはねる夢を見た。翌日の新聞に、日光の東武鬼怒川駅手前の急カーブで工事中の人たちが特急にはねられたという記事が載り、あの夢はこれだと気づいた。その夏、ロマンスカーで鬼怒川を訪れた帰り、タクシーの運転手が事故の現場を指さしたが、その景色は事故前夜の夢で見たものとまったく同じだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。