死亡宣告後に目を開けて笑った母
どんな伝承か
昭和四十九年七月十日、平野みつは胃癌のため小田原市立病院で亡くなった。息子はそのとき福島県の郡山へ出張していたが、その夜明けに夢枕に立った母が自らの死を告げたため、知らせを待たずに小田原へ急いだ。着いたときにはすでに医師が死亡を宣告していたが、みつは目を開けてにっこり笑い、それから改めて息を引き取った。息子は死に目に会うことができ、その道中では、幼いころ夢に見た場所を初めて通り過ぎたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。