手術前に別れに来た友の死の夢
どんな伝承か
昭和五十五年、沖縄県読谷村での話。心臓を患って手術を控えた若い友達が、さりげなく別れを告げに訪ねてきて、元気になったら機を織ってあげると言った。ところがその直後の夜、夢を見た。「あんたがどうにかなったら、わたしどうするね」と、背中をパンパン叩いている夢だった。すると坂道が見え、その友達が夫婦で笑いながらやって来る。「あ、よくなって良かったね」とはしゃいで飛び上がったところで目が覚めた。明け方、夢占いの本を出して調べていると電話が鳴り、その友達の死の知らせだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。