幼子の姿で寝床に来た戦死の息子
どんな伝承か
支那事変で出征し中支にいた息子の義夫。昭和十六年の秋も深まり炬燵が要る頃の晩、寝ていると、四つ五つの幼い義夫が寝間の中へ横から入ろう入ろうとする。おとなしく寝かせても、またやってきて入ろうとする。何度も繰り返し、はっと気づいて目を覚ますと夢だった。それからしばらくして義夫の戦死の公報が届き、戦死した日はちょうど夢を見た日だった。義夫が子供になって会いに帰ったのだろうと語る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。