岩の上から手招きする死んだ友
どんな伝承か
大正の初め頃、小学校で仲の良かった友人が亡くなった。ある日、その友人が夢に現れて自分を呼ぶ。ついて行くと、そこは山の中で、霊山のような場所だった。死んだ友人は大きな岩の上に立ち、こちらへ手招きをする。早く来いと言われるのだが、体が重くてどうしてもその岩へ跳び移ることができなかった。もしあのとき跳んでいたら、自分もきっと死んでいただろうと語り手は思っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。