延慶寺へ飛んで消えた青い火の玉
どんな伝承か
本渡市での話。語り手が十二、三歳の頃、今から五十年ほど前のことである。夜の九時頃、勉強部屋から外に出て門の方へ行くと、目の前に青い火の玉がスースーと出てきた。驚いて声も出ないまま、その行方を追っていると、火の玉は延慶寺の方へ飛んで行って消えた。母にこのことを話すと、「あらあ、あの人の病気はよくないなあ」と言った。すると二、三日して、その人は本当に亡くなったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。