湯殿で洗面器を倒した生き霊
どんな伝承か
歌手の淡谷のり子が語った出来事である。イブニングドレスを仕立ててくれていた夏子が肺の病で世を去る前のこと、淡谷の家の湯殿で洗面器がひっくり返る音が響いた。後になって聞けば、死を目前にした夏子は、淡谷に会いたい一心で風呂場の窓から入ったところ、中が真っ暗で洗面器につまずいてしまった、と周囲に話していたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。