麻木の箸の功徳で八百歳
どんな伝承か
稲葉郡蘇原村字三柿野には、あさきという長者の一人娘が八百比丘尼になったという伝えがある。郡誌によれば、あさき長者が亡くなったのち、娘は麻木の箸で食事をし、その箸についた飯粒を池の魚に施していた。その功徳によって八百歳の長寿を保ったが、のちに各務村に移り住み、その跡には今も六字名号の碑が残っているという。美濃に伝わる八百比丘尼の生地の伝えの一つとして挙げられている。
原典より
稲葉郡の場合は、その郡誌によると、あさき長者の死後娘が麻木の箸で食事をし、その箸に付いた飯粒を池魚に施した功德で、…—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年))
『福井縣鄕土誌 民間傳承篇』は、福井市立実科高等女学校の郷土誌第二輯として教諭中塩清之助が編み、昭和十四年二月付の学校長金岡正孝の序を巻頭に置く。丹生郡の名、哭女、越前萬歳、仏の舞、幸若舞、猫塚、隠れ里、子育て幽霊、愛発の関、弁慶譚、八百比丘尼、水の神女譚を、古文献や他地方の類例と照らして論じる。生徒が集めた県下の昔話は類話をA・Bなどに分けて並べて解説を付し、校正者大村四朗の跋を添える。