関ヶ原の首を埋めた一本松の塚
どんな伝承か
慶長五年、関ヶ原の合戦で討ち取った首を、徳川家康の恩賞にあずかろうと、わざわざ麻布の一本松の地まで運んで来て、家康の首実検に供した者たちがいた。福島左衛門大夫は四百三十、池田三右衛門は四百九十、浅野左京大夫は三百八もの首を大きな桶に詰め、ひどい臭いをこらえて持参したという。実検が終わった首は一本松のあたりに埋められ、塚が築かれたと言い伝えられているが、その場所は今ではわからない。一本松町はのちに元麻布町一丁目となった。
原典より
またこの一本松町には慶長五年、家康の恩賞に預かろうと、関ヶ原の合戦であげた首をわざわざ持って来て、家康にお目にかけた人びとがあった。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸動物民話物語(窪田明治)
『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。