十二講の日の猟を襲った吹雪と倒木
どんな伝承か
長野県下水内郡栄村堺では、二月一二日は山の神様の祭で十二講という。猟をする人は山へ入るので、水でしめしたオカラコという団子を作って十二様に供え、参るのだという。この日は山の神様の日だから山へ入るものではないといわれ、山が吹雪いて荒れるからだとも語られる。上ノ原の下村の人が、月夜だからとバンドリすなわちモモンガを取りに、夕飯の後で鉄砲を携え、開拓地の奥の苗場山の方へ行った。すると風もない月夜だったのに急に山が吹雪き、大きな音がしたと思うと、大木がペタペタと倒れるようになった。その人は恐ろしくなって山にいられず逃げ帰り、やはり山の神だと語られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。