三年の交渉で守った屋敷森の大けやき
どんな伝承か
昭和四二年頃から、富士街道の道路拡張のために我が家の北側の大けやきを伐採してくれと話があった。私の家は屋敷森になっていて、大けやきは赤城おろしの北風をさえぎる、武蔵野特有の屋敷森である。三〇〇年もたった木を伐ればまた三〇〇年待たねばならないと考え、都と交渉したが、都側は伐るの一点張りだった。折しも日光の太郎杉が同じ理由で裁判になっており、その判決が出るまで判は押さないといって様子をみた。四四年、一度失った文化遺産は復元できないという判決が出ると都側もがらりと変わり、ぜひ残してほしいということになった。三年ほどかけ、木が歩道にのるよう土地も提供して、四八年に道路ができた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)