二俣の銀杏に神が宿るという集会所前
どんな伝承か
石川県七尾市の本府中町集会所の前に、大きな銀杏の木が電柱と二人三脚という形で立っている。その実がなる頃の約二か月間は悪臭がきつく、掃除が大変だという。また一九九一年九月二七日の台風の時は大きく揺れ、近所の家では今にも倒れるかと心配で眠れなかったそうである。語り手たちはこの木を少しでも大切に長くと思うのだが、町会ではいつ伐ろうかと考えているとか。近所では、木が二俣に分かれている故に神様が宿っておられると思う人もおり、どうも複雑だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。