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「下手植え」と笑われて枯れた松

所在地群馬県富岡市七日市(永心寺)
年代昭和九年頃
登場前田利定、逓信大臣、七日市藩主の末裔、永心寺の住職、平石亘、回答者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

昭和九年頃、七日市藩主の末裔にあたる前田利定が逓信大臣に出世し、祝いのため郷里へ帰った。祝いのあと利定は前田家の菩提寺である永心寺に参り、先祖の墓の前へ記念の松を植えた。住職は誇らしげに「前田閣下手植えの松」と立て札を立てたが、「お手植え」とすべきところを「手植え」と書いたため、続けて読むと「前田カク、ヘタ植えの松」と読めた。町の人々は下手植えだからすぐ枯れると笑い、松は本当に赤くなって枯れてしまったという。寺は似た松を探して植えかえ、今度は「お手植えの松」と書いた。その松は葉が三本ある珍しい松で、開運の松と呼ばれる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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