酒とスルメを供えて植えた松
どんな伝承か
昭和四三年に家を新築し、庭にも植木と石を入れた。初老の植木職人が来て、狭い庭なのに植木をいっぱい入れ、自分の好みに庭を造っていった。そのとき、実家から移してきた樹齢百年ほどの松の木二本だけは特別扱いだった。植える前の地面を酒で清め、植える穴には酒をまいてスルメイカを入れ、大きな樹が納まると、またその上から酒をまきながら何かぶつぶつと言っていた。なぜ松だけそうするのかと尋ねると、松は酒が大好きで弱ったときにも酒をやると生き返る、だから酒とスルメをやっておけばよく根づいて末永く生きるのだと答えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)