動きだした林道の松の材木
どんな伝承か
土佐清水市役所の職員が土曜の午後、翌日の魚釣りの餌にする川エビを採ろうと、谷川沿いの林道を軽四で走っていた。奥のほうがよかろうと進むと、道幅三メートルほどの道に大きな松の材木が真横になっている。一人で除けられるだろうと車を降り、この松は何だろうと上を見ると、山仕事の男衆が三、四人いた。あの人たちが落としたのかと独り言を言いながら近寄ると、その材木がすうすうと山手のほうへ動いた。よく見れば材木ではなく、大人の太腿ほどもある大蛇で、どちらが頭か尾か見分けもつかない。慌てて車に走り込み、狭い道をどうバックしたかも覚えぬまま引き返したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)