二本足の白い蛇のあとに続いた災い
どんな伝承か
昭和二〇年七月のこと、今は亡き母が田の見回りに出かけると、長さ二メートルほど、胴回りが大きい湯呑茶碗ほどもあり、体じゅうが白く、足らしいものが二本生えた蛇が目の前を横切った。母は仰天して家へ逃げ帰った。二か月後の九月、大水害で取り入れ寸前の稲が全滅し、翌年の作付けも不能となった。復旧の途中、土の中から全盲の蛇が出てきたこともあった。田が元通りになった昭和二五年七月、母が急の病で倒れ、八月一五日に他界した。秋の取り入れが終わった一一月四日未明には家が全焼し、着の身着のままで逃げ出したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。