頭が二つある小蛇の生け捕り
どんな伝承か
明治二五年五月三一日の「東北日報」が報じた話。下一ノ関の近くに住む樵夫が、木を伐ろうと山路を踏み分け、淋しい深山へ登った。頂上から少し下りた、茂った林で道具を下ろし休んでいると、多くの小鳥がひどく悲しげな声で鳴いている。近寄って見れば、一匹の小蛇が小鳥の卵を取ろうと巣を探していた。憎い奴めと棒を振り上げて叩き落とそうとしたが、木から木へ移るのが速くて打ち落とせない。追い回すうちによく見ると、一尺ばかりの小蛇なのに頭が二つあり、眼光鋭くはなはだ奇体である。ついに生け捕って家に帰ると近所の評判となり買い手も出たが、あまりに不思議なので第二高等中学校へ送って鑑定を願い出たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)