つるべの青大将とお諏訪様
どんな伝承か
井頭というところにつるべ井戸があった。姉がつるべを上げると青大将が巻きついてきて、夜のことでもあり驚いて手を放し、蛇は落ちた。それきり誰も水を汲みに行かなくなったが、そうもいかず一日二日して行くと、二度目に上げたときにまた蛇が上がってきた。祖母が死ぬんじゃないよと言って、すぐ上の杉山を深く掘り、藁を敷いて、死なないでくれと念じながら埋めてやった。話はそれで終わったはずだったが、つるべを上げた姉が三〇で亡くなった。あまり苦しむので亡くなる二、三日前に見てもらうと、お諏訪様がさわると言われた。お諏訪様とは蛇のことだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。