雨を降らせて消えた法師と柳
どんな伝承か
昔、旅の僧が托鉢をしながらこの村に来て、仏の教えを説いた。貧しい人に会うと托鉢でもらったものを惜しまず分け与えたので、村人はいつしかこの僧を法師様と呼ぶようになった。ある夏、日照りが続いて一滴の雨も降らず、稲は今にも枯れそうになった。雨乞いを頼まれた僧が祠の前で七日七晩祈り続けると、その甲斐あって昼過ぎに急に空が曇り、大粒の雨が降り出した。気がつくと法師の姿は消え、村人の前には光り輝く薬師如来の像と一本の柳だけが残っていた。この法師は慈覚大師だったのだろうと言われ、後に楊林寺が建てられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南陽市史 民俗編
『南陽市史 民俗編』の伝説の節を抜き出したものである。山形県南陽市の白竜湖の由来と東正寺の僧の話、金沢の三坂(七両坂・泣坂・薄雲坂)、猫の宮の猫、二色根薬師、赤湯温泉の起こり、吉野の大黒岩と千人塚、珍蔵寺の鶴、三堀観音などを収める。置賜盆地の湖と温泉と山の寺にまつわる伝えが中心である。