伊勢土産の種から生まれた小辺坂煙草
どんな伝承か
宝暦二年の四月、広瀬村小辺坂の桜田三郎治が伊勢参りの帰りに煙草の種を持ち帰り、育て始めた。その葉を三春藩主の秋田侯に献上したところ、秋田侯が参勤交代で江戸城に詰めた折、大名たちのお国自慢の席でこの煙草の香りと味が抜群だと評判になり、諸大名がこぞって褒めた。これをきっかけに西国の大名を通じて名が全国に広まり、三春領小辺坂の煙草を求める商人の注文が相次いだという。献上用の煙草には、ヨモギやショウブなどの青草を溜池に沈めて三、四か月置いたものを肥やしにしたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滝根町史 第3巻 (民俗編)
『滝根町史 第3巻(民俗編)』の口承文芸の節から伝説を抜き出したものである。福島県田村市滝根町(菅谷・神俣・広瀬)の大滝根山の田村麿と大滝丸、入水寺の観音、小野小町の伝え、鶴ヶ池物語、人柱茂左衛門、曽富登神社、六句の坊、片手観音、三本足の鳥、姥捨山などを収める。古い村誌の文語の引用と聞き書きの口語が混じる。