髪を売って子を育てた母の鏡塚
どんな伝承か
昔、山口氏の妻は賢い人で、夫に死なれたのち、供養のために自分の髪を売って鏡を求め、幼い二人の子を育てた。その墓を鏡塚といい、地蔵がまつられた。のちに二人の子は江戸に出て出世し、亡き母のために浅草観音の境内に、銭塚地蔵(鏡塚地蔵)と同じものを建てたという。
原典より
東京都浅草観音境内この地蔵堂へ紐を結びつけて置けば富貴になるといひ、また石を借りて来て富を得て後に倍にして返すと、益々富むといふ。—— 日本伝説名彙2 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙2
柳田國男監修『日本伝説名彙』の後半にあたる部分で、全国の伝説を地物の種類ごとに分けて集めた名彙である。塚の部(糠塚・七人塚・首塚・十三塚など)、坂・峠・山の部、谷・洞の部、屋敷・城趾の部(長者屋敷・朝日長者・白米城など)、祠堂の部(地蔵・薬師・観音・天神・八幡・稲荷・宮など)の各題の下に、府県・郡・村の所在地を頭に置いて各地の伝えを短く並べ、多くの条に出典の郡誌・伝説集の名を添える。