鵯越の地蔵と旅人の仇討ち
どんな伝承か
播磨から摂津へ越える境の鵯越に地蔵がある。昔、ここで強盗が人を殺して金を奪い、見ていたことを言わないでくれと地蔵に頼んだ。地蔵は、わしは言わぬがお前も言うなと答えた。その後、二人連れの旅人がここを通り、一人が昔ここで人殺しがあったと詳しく話した。もう一人は、そこまで知っているならお前が殺したのだろう、それはわが父だと言って仇を討ったという。
原典より
神佛分離のときに萩倉辺の薬師堂へ移したことがあつたが、毎夜前方へ動き出してゐたのでもとの処へ返した。—— 日本伝説名彙2 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙2
柳田國男監修『日本伝説名彙』の後半にあたる部分で、全国の伝説を地物の種類ごとに分けて集めた名彙である。塚の部(糠塚・七人塚・首塚・十三塚など)、坂・峠・山の部、谷・洞の部、屋敷・城趾の部(長者屋敷・朝日長者・白米城など)、祠堂の部(地蔵・薬師・観音・天神・八幡・稲荷・宮など)の各題の下に、府県・郡・村の所在地を頭に置いて各地の伝えを短く並べ、多くの条に出典の郡誌・伝説集の名を添える。