行き先だけ告げて消える乗客
どんな伝承か
宮城県東部の漁業で有名な町で、タクシーの運転手から聞いた話。津波に襲われた石巻のある地区で、運転手たちが困っていることがあるという。震災後は被災地を見に来る人やボランティアが増え、鉄道もバスも復旧しないためタクシーしか交通手段がない。ところがその地区に限って、手を挙げている人を乗せると、津波で完全に流されて無人となった場所を行き先に指定する。振り返ると誰もおらず、座っていたシートが濡れてほのかに海の臭いがしたという運転手もいた。服装や性別に関わりなく、老若男女がみな消えてしまうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
震災後の不思議な話-三陸の怪談(宇田川敬介・2011年以降(東日本大震災関連))
震災後の不思議な話(三陸の怪談)/津波の死者の霊・幽霊/地震の予兆(井戸の水)/タクシーに乗る幽霊/震災の鎮魂と怪異