生きているか尋ねた四人の若者
どんな伝承か
前に出てきた港町のとなりの町で、非番のタクシー運転手から復興酒場で聞いた話。津波が押し寄せる防災庁舎の中で建物の安全を信じ、防災無線を流し続けるなど最後まで努力していた土地柄である。震災後のある夜、復興商店街の近くで車を停めていると、四人の若者のグループがやって来て「みんなで乗れますか」と言い、リーダーらしい若者が助手席に座った。海沿いを走るうち一同は黙り込み、停めてくれと言って降り、道の端から海のほうを向いた。やがてリーダーが振り返り「実は、自分たちは死んでしまったのかどうか、わからないんです」と尋ねたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
震災後の不思議な話-三陸の怪談(宇田川敬介・2011年以降(東日本大震災関連))
震災後の不思議な話(三陸の怪談)/津波の死者の霊・幽霊/地震の予兆(井戸の水)/タクシーに乗る幽霊/震災の鎮魂と怪異