戦のたびに鉄砲の模様が出る磯浜の笹
どんな伝承か
日支事変が起きたころ、戦の前触れとされる奇瑞がいくつも伝えられた。昭和七年二月の新聞には、茨城県磯浜に住む読者から、笹の葉を二枚封じ込めた便りが届いたという記事が載っている。便りによれば、その土地の神社の竹は、戦争が起こるたびに葉へ兵器の形の模様を浮かべるもので、日清・日露の両戦役の折にも同じ模様が出たという。模様は葉の真ん中の節のところに縦に現れ、ちょうど鉄砲のような形をしていた。
原典より
その笹の葉の模様というのは、葉の中央の節のところに、タテに鉄砲の形をした模様があらわれているのである。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。