駅長室の放屁で殴られ命を落とした男
どんな伝承か
岡山県久米郡三保村の売薬業菅直政は、中国線誕生寺駅の駅長室で誤って放屁したところ、居合わせた駅長の谷川竹蔵に無礼者と怒鳴られ、乱暴に左耳を殴打され鼓膜を破られた。菅はその後病気に罹り死亡し、村民は駅長が殴り殺したと騒ぎ、検事が死体を解剖して駅長を取り調べたという事件である。
原典より
岡山県久米郡三保村売薬業菅直政(二八)は、先月二十五日午後六時、中国線誕生寺駅々長室にて誤って放屁せしを、居合せたる駅長の谷川竹蔵(三九)が、無礼者といひざま乱暴にも直政の左の耳を殴打し鼓膜を破ったるが、…—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。