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千段栗毛と姫を語る恐山の呪文

所在地青森県むつ市(恐山)
年代近世〜近代
登場不明
出典怪談の世界

どんな伝承か

長者の姫が厩に下りて、千段栗毛という名馬を見た。左の肩には月、右の肩には日輪、背には法華経と泉の文字がそれぞれ七つ流れ、耳は法華経を二本立てたよう、両眼は日月のようであったという。姫は霞の鞭で三度その体を撫で、恋歌を詠んだ。馬は恋の病に落ち、水も糠も口にしなくなる。博士たちは姫恋しの病と判じた。長者は激怒し、畜生が人間に懸想した例はないと罵った。馬は身を恥じて北へ三度嘶き、舌を噛み切って死ぬ。屍はこんが河原に晒された。姫は尋ね当てて取りすがり、夫婦になってくれと掻き口説くと、屍は起き上がって姫を抱き、彼方の空へ飛び去った。著者はこの呪文を恐山の宿で巫女から聞いた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

怪談の世界(山田野理夫・1978年(昭和53年))

『怪談の世界』は、山田野理夫が昭和五十三年に著した怪談の研究随筆である。遠野での佐々木喜善と柳田国男の出会いから説き起こし、家・山・木・石・道・水・火に現れる妖怪、憑き物、鬼と天狗、生霊・死霊・幽霊の話を、著者の聞き書きや各地の民俗資料、古典・芝居から集め、沖縄の話で結ぶ。章立ては江馬務と柳田国男の妖怪分類を参考にしたもので、民俗学の資料と文学作品の両面から怪談をとらえようとしている。

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