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八 生首を盗む女

所在地京都府京都市下京区因幡屋三條河原(日岡の峠)
登場大蛇の庄六、遊び人・体験者
出典妖奇怪談集

どんな伝承か

御維新の頃、京都市山科に大蛇の庄六という遊び人がいた。体中に蛇の刺青を彫り「大蛇の庄六」と呼ばれた小柄な親分で、よく日ノ岡峠を越えて京へ出て博奕を打ち、三条大橋近くの居酒屋「因幡屋」で一杯ひっかけてから山科へ帰るのが常だった。ある秋雨の降る夜、いつもより遅くまで博奕場に居残った庄六は、提灯を借りて因幡屋で酒を飲んだ後、独り夜道を帰る途中、智恩院の丑三つ時の鐘を聞きながら、誰もいないはずの背後から素足で歩くような足音がついてくるのに気づき、人魂ではないかと薄気味悪くなり、提灯を突きつけて誰何したという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖奇怪談集(山門王吉・1936年(昭和11年))

『妖奇怪談集』は、山門王吉が著し、東亞書房が昭和十一年七月七日に発行した怪談集である。序に言うとおり、白昼の銀座で死んだはずの友人にマッチを借りる話や円タクに乗る亡霊、トンネルの狂女など、当時の実話に取材した新感覚の話を主とし、旧来の型の話を二篇添える。巻頭の「怪談コント一束」は闇の声や消えた女など七つの小話から成り、続いて「銀座の悪夢」から「生首を盗む女」まで七篇を収め、巻末に奥付と同書房の満洲案内書などの広告を載せる。

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