死んだ設計士と食べたハンバーグ
どんな伝承か
京橋で美容院を営んでいた女性が、店の改築の相談のため、親しい設計士のHと東京麹町のあるホテルの食堂で向かい合っていた。その日のHはいつになく元気がなく、ハンバーグを半分残して、気分が悪いから日を改めようと言って帰った。女性が車で帰宅すると、弟子が、たったいまHの妻から、Hが心筋梗塞で急死したと電話があったと告げる。別れたばかりの時刻が死亡の時刻に重なる。ホテルへ引き返して尋ねると、ボーイが三人出てきて、確かに二人でハンバーグを召し上がったと笑い、調理台には食べ残しの皿が二つ、ナイフとフォークを添えたまま残されていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、霊視の体験、近世随筆に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。