守山町で客死した伊勢帰りの与助
どんな伝承か
宝暦十年、相馬領上浦村の与助が、伊勢参りからの下向の途中に守山領守山町で病になり、一夜の宿を請うた。村では身分を改めたうえで泊めたが、翌日にわかに病が重くなり、与助は息を引き取った。縁者のもとへ飛脚が立てられると、当地で葬ってほしいという返事があったので、村役人は証文を取ったうえで守山町に埋葬した。旅人が領内で死んだときの定めに沿った処置である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情(昼田源四郎・昭和中期(推定))
本書は江戸時代の陸奥奥州守山藩領における『御用留帳』を史料とした、近世農村の医療事情と心霊現象の研究である。狐憑きや物付きなどの精神疾患が、祈禱や指籠入れ(座敷牢)によって治療された実例を14件詳述する。天明・天保の飢饉や流行疫病(疱瘡、麻疹、コレラ等)への対応と並行して、乱心者の社会的処遇、責任能力の鑑別問題、欠落(逃亡)との区別が論じられている。