三重城で営む潮川渡りの祈願
どんな伝承か
スゥカーワタイは「潮川渡り」を意味する祈願で、海を隔てた他郷で亡くなった人のマブイを呼び戻すためのものだという。本土や外地へ出稼ぎに出てその地で死んだ人は、遺骨が郷里に戻って葬儀を済ませても、マブイだけが死んだ場所に残っていることがあり、それが判じに表れる。祈願は死んだ土地まで出向くこともあるが、ふつうは郷里の港に近い海岸で行い、那覇の近辺では三重城と屋良座森城が祭場になる。そこにいる海上の守護神が死んだ土地へ赴き、その土地の神からマブイを引き取ってくるとされ、異郷で死んだ人すべてに要るわけではないという。
原典より
祈願をするとこの神が現地(死んだ土地)に行かれて、彼地の神からマブイをひきとって来られます。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。