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夜ごと墓場をめぐる同窓の友

所在地東京都文京区小石川(伝通院)
年代明治期
登場友人の那須皓
出典私は幽霊を見た

どんな伝承か

筆者の中学時代の同窓に、墓場を歩くのを好む男がいた。のちに農学博士となった那須皓である。本郷弓町の下宿へ遊びに来ては、わざと夜更かしをし、帰りしなに一人で伝通院の墓地や谷中の墓地を一時間も二時間もめぐったという。家は湯島にあり、まっすぐ帰ればほんの一またぎの距離なのに、わざわざ大回りをするのである。怖くはないのかと尋ねると、心持ちが澄んで仙人になったようだ、頭がすっきりする、平気だ、と答えた。年齢を繰り上げて進学していたので、その頃の那須は実際には十二、三歳だったかもしれないと筆者は書いている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)

『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。

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