娘に憑いた宋公館の死霊十八人
どんな伝承か
広東の宋公館に出没した幽霊たちが、支那からはるばる日本へやって来たという話。講演で久留米に行き、会場の公会堂から布屋旅館に帰ると、玄関口で女学生服の娘を連れた中年の婦人に呼び止められた。婦人によれば、娘が一二か月前から胸苦しさで痩せたので巫女に占わせると、広東の宋公館にいた支那人の死霊十八人が憑いていた。法力で呼び出すと十七人はすぐ来たが、若い女の霊だけ渋り、それもやっと来て供養してやると、成仏して喜んで支那へ帰り、その日から娘はけろりと治ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)
『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。