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閻魔の前で一生を問われた父

所在地長野県上田市上丸子
年代昭和十九年
登場神田弥生
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和十二、三年頃、丸子町の父親が丹毒から敗血症を起こして生死の境をさまよい、辛うじて命を拾った。そのとき見た夢は、果てしなく広い場所に花が咲き乱れ、澄んだ水が湧き続け、周囲では子供たちが群れて遊んでいるというものだった。父は昭和十九年、胃穿孔で亡くなる。看取った母によれば、意識のないまま、まるで位の高い者に問われて答えるような厳かな調子で、二十年このかた胃痛の絶えぬ日はなかった、子は六人ある、などと述べたという。あれは閻魔の前で一生を調べられていたのではないかと、身内は後に語り合った。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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