又従兄の死を告げた玄関のドサッという音
どんな伝承か
昭和十五年頃、大阪市東住吉区桑津での話。大学薬学部の学生であったまた従兄が大阪へ遊びに来て、帰ってから半月余りのちに腸チフスに感染し、続いて母親と妹も相前後して発病した。連絡があってから十日ほど経った日、家の者が茶の間で話していると、玄関に郵便物が投げ込まれたようなドサッという音がした。出てみたが郵便物は何もなく、人の姿もない。不審に思っていると、間もなく死亡を知らせる電報が届いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。