湯花採りが見た友の女房
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どんな伝承か
祖父が田名部町の柳町の中井という人から聞いた話。中井はお山(恐山)の湯花を採る人夫として雇われていた。ある晩、床に入ってうとうとしていると、誰かが盆踊りの歌をうたいながら通りかかる。戸を開けると友達の女房で、その女は寺の中へずんずん入っていった。翌朝、挨拶しようと寺へ行き「ゆうべ、女の人が来たでしょう」と尋ねると「だれも来ない」と言う。坊さんは「度々あります」と笑った。一週間ほどして町に下り友達の家を訪ねると、女房は一週間前に死んだという。姿を見たのは死んだ日の晩であった。中井はまた、お山に登る途中で知人が傘をさして歩くのを見、走っても追いつけず、その男は寺へ入って消えたとも語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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