墓へ行こうと誘いに来る病人たち
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どんな伝承か
ある年、ある村に伝染病があった。方々の家に病人が出来て、頻々と人が死んだ。その時に、やはりその病気にかかった人の話に、自分は床の中にいて、その村で病気にかかっている人の誰が今日は死ぬ、誰々が今日は死ぬと、ちゃんと分かったという。その人の話を聞くと、その病人たちが来ては、しきりに裏の山にある墓へ行こうと誘うのだそうである。だがその人はどうしても行きたくないので断った。互いに誘われて行く人や断る人があったが、行った人は皆死んだそうである。ある一人などはすぐ隣の娘だったが、来てそれは一心に誘い、断るとさめざめと泣いて別れて行き、次の日にはその娘は死んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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